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ストーリー

南正文さんは小学校三年生の春休みに製材業を営む父を手伝っている時、機械のベルトに巻き込まれて両腕を失ってしまいました。十四歳の時、近所の人のすすめもあり、両親と共に京都の大石順教尼を訪ねました。大石順教尼もまた、十七歳の時、養父に一家五人を斬殺するという「堀江六人斬り事件」の巻き添えとなり両腕を失っていました。十九歳の時、カナリヤが雛を育てるのを見て、口に筆をとることを思いつき、以後、独学で書画の勉強に励み、口で筆をとり絵画・書をえがいていたのです。

順教尼は、南さんの両腕を失ってからの身の上話をすべて聞いた後、「分かった。私の弟子になりたかったら、三つだけ条件がある」と言いました。一つは、堺から京都まで一人で来なさい。そして、今までは足を使っていたかも知れないけれども、これからは口を使いなさい。そして、三つめは、絵を描きなさい。勉強しなさい。と。そこから順教尼の慈愛に満ちた修業が始まります。南さんは順教尼の生き方に接して人生に開眼、後ろ向きだった心が大きく転換していきました。

現在、南さんは順教尼の教えを受けて、画家として活躍、妻や子どもたち、たくさんの友人に囲まれ、楽しく豊かに日々を送っています。そしてその姿がまた多くの人の希望となっています。大石順教尼の最後の弟子であり、教えを引き継ぐ南さんから「どんなできごとも自分の考え方しだいでよきことになる」大石順教尼の教え「禍福一如」(かふくいちにょ)の人生が溢れだしているのです。

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